二日目のセミナーも、とても勉強になりました。今日は、長くてちょっと難しい話をします。
1 細菌について
口のなかにいる細菌は700以上の種類がいて、その半分以上は培養できません。
種類はわかっているけど、培養できないので、何をしているのかはわかりません。
細菌は、食事、歯磨き、個人差、年齢によって数も構成も変わってきます。
善玉菌、悪玉菌、仲介菌なんてものもいます。
宿主や他の細菌と共生関係にあります。
これをSymbiosis(シンビオーシス)と言います。これ、大事な言葉です。
2 バイオフィルムって何
結論から言いますと、プラーク(細菌のかたまり)です。
プラークは、着く場所によって細菌の種類も形態も違います。
歯周病は、主に歯茎の下につくバイオフィルム感染症です。
細菌は歯の根の表面に、一番最初に善玉菌が着きます。
そこに、仲介菌が手を繋ぎ、そこに悪玉菌が手を繋ぎにきます。
いきなり悪玉菌がつく事もないし、仲介菌がつく事もないです。そういったケースは本当に稀です。
これがバイオフィルムです。
プラーク内は細菌同士のシンビオーシスの関係が成り立っていると言えます。
3 歯周病菌
虫歯菌は酸性で、酸素を好み、糖が好きなのに対して、
歯周病菌はアルカリ性、酸素を嫌い、タンパク質と鉄が好きです。
人は、噛むたびに歯肉溝滲出液という、タンパク質を含む液が歯肉溝という溝から上がってきます。
歯周ポケット内のphはアルカリ性、餌となるタンパク質もあり、歯肉を炎症させ出血から鉄をとり、低酸素であることから、歯周病菌にとって素晴らしい環境であり、いつまでも増え続ける事ができます。
これをエコロジカルプラーク仮説といい、こうした細菌のバランスが崩れることをdysbiosis(ディスビオーシス)と言います。
また、歯周病菌は、腫れた歯肉から簡単に血液に入り込む事ができ、全身に毒素をばら撒いています
脳梗塞、心筋梗塞、肺炎等の全身疾患のリスクを高めます
糖尿病の合併症と言われますが、その逆もあり、歯周病が悪化すると、糖尿病も悪化すると言われています
歯を失うだけではなく、全身にも影響を及ぼす歯周病。怖いですよね
4 機械的清掃
バイオフィルムには、シールドがあり、洗口液や抗菌薬が浸透しません
丁寧で適切な歯ブラシで落とせますが、
歯ブラシの届かない、歯周ポケットの深い所に入り込んだプラークは、自宅でのケアはできません
そこで私達、歯科衛生士の出番です
医院にある、機械や器具をつかってポケットの深いところまで、クリーニングします。痛みを伴う事もありますので、麻酔をしてから行います。
ですが、クリーニングしたからといって、歯周病菌がいなくなる訳ではありません歯周病菌は常在菌なので、条件が揃えばいつでも増殖し、形態をかえてきます
このため、定期検診でクリーニングが必要となります
5 最後に
テキストを読み返すと、まだまだ奥深く知りたいことだらけです。
セミナーを受ける前の自分、その後の自分の違いがこんなに大きく変わるなんて、山本先生に感謝です。
信頼できる歯科医師と歯科衛生士に出会うと、寿命が伸びると言われています。
中でも、歯周治療は、検査、治療、長期に渡ってのメンテナンスは、歯科衛生士が深くかかわります。今よりもっと知識と技術を磨いて、医院全体で患者様のサポートをしていけたらと思います
おまけ―自動販売機-
前回のセミナーで、会場がコロナのために換気されていて、寒かったんです
今日は、暖かいコーヒーを買っていこうと。自動販売機へ
こういう時、ありがたいですよね
でも、
冷たいのが出てきたんですけどね!
同じ種類だからって、どこを押しても暖かいわけじゃないって事も学びました!
ではまた!
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